競輪の結果をまとめるところ

レース番号レース種別 半周ラップ(一周ラップ) 1着決まり手 2着決まり手 3着決まり手 J選手着 H選手着 B選手着(上がり) 自分が使うときにまとめる。なんの責任もとりません。

【二十六場目】名古屋競輪場

 これまで、仕事や家事私用のついでに、競輪場に立ち寄ったことはなかった。

 旅行の予定を立てるには、まず競輪の開催日程を確認する。ハシゴできそうな開催があると、その経路上の温泉や銭湯を探し、安い移動経路を検討していく。そして、競輪場に行くのならば、きちんと第1競走から参加したい。

 これで全国をだいたい回ったのだから、ずいぶんなご身分なようだが、決まりきったノルマをこなしていただけな気もしてくる。以前、旅行中の写真をSNSに上げたところ、ある方から「どこにいっても、だいたい同じことをしているね」と声がかかった。別に非難する意図があったものではないし、こっちだって悪いことをしているわけではないのだが、言われてみればぐうの音も出ない。

 それが、生活の変化が重なり、この1年ほど、競輪にたっぷりと時間を割く余裕がなくなった。すでにコロナ初期から、ネット投票をほとんどやらなくなったので、もうずいぶんと競輪から離れた生活が続いている。

 

 別に、金輪際もう競輪はやらんと決意を固めたわけでなく、タイミングが合えば喜んで出かけていく。先日は、職場の有志で川崎競輪場のFⅡナイターにお邪魔した。競輪が初めての若い衆もいるので、企画発起人が彼らに対し、ルールやラインについて説明をしていく。一応、私は「競輪に詳しいやつ」ということになっているので、たまに解説を振られることになる。仕方がないから、わかったような口上をあれこれでっちあげるが、苦しい。

 聞いている方は「さすが、背景の知識が違うなぁ」などと感心を表明してくれるが、いかんせん話している内容は数年前の印象である。日々のたゆまぬ鍛錬の末、苦手を克服しているかもしれない選手たちにも、私の言葉を参考に金を賭けようという後輩たちにも、これはあまりに失礼な態度ではないか。こんな輩に競輪の神様がほほ笑むはずもなく、この日はきれいに8千円をやられた。

 

 それが、7月半ばの三連休、名古屋での用事ができた。こういう暦だと夜行バスもそれなりの値段だから、当日朝の新幹線で移動するとして、昼過ぎまでは時間がありそうだ。そして、この連休は名古屋競輪のFⅡ開催がある。


 三連休の中日、東京駅8時過ぎ始発の「のぞみ」は、意外なほど空いており、定刻どおり名古屋駅へ。殷賑を極める名駅高島屋前の人混みを突っ切ると、地下へ降りて東山線に乗り換える。三つ目の中村日赤駅が、名古屋競輪場の最寄り駅だ。名前のとおり日赤の病院と直結している駅である。夏らしい陽気の地上に出て、10分ほど歩くと蝉が鳴きだした市営中村公園に入り、噴水や庭園を抜けた先に競輪場の塀が見えてきた。この時点で、時刻は10時20分過ぎ。FⅡ開催2日目の第1競走の発走は、10時51分である。

 全国的な流れに漏れず、6年ぶりの訪問となった名古屋競輪場も目下スタンドを工事中であり、入れるのはゴール前のメインスタンドだけである。そのメインスタンドも改修の手が入っており、以前は通路に面していた飲食店が移転するなど内部の仕切りが変わっていた。朝一で人が少ないからこれでよいが、後半になって人が増えてくると、なかなかしんどそうな状況である。ただ、全国でもここだけにある「拡大鏡付きマークカード記入台」がちゃんと残っていたのはよかった。

 

 第1競走の負け戦は、出走6人。布井ジュニア(翼、A級3班、和歌山109期)と角口聖也(A級3班、千葉94期)なら門口が先に仕掛けそうだが、脚の違いでどうやっても布井が抜けよう。といって、布井から買うのはオッズが一本被りで……普段から手を出さないところだが、今日は2レースしかやれない。この暑い中、急いで競輪場まで飛んできて、今日は、カネを儲けるためにきたわけじゃないんだ。

 まだまともな脚がある志村正洋(A級3班、神奈川77期)と布井の絡みに絞って、車券を散らしてみる。先頭誘導員は、なんと 金子貴志(A級1班、愛知75期)。弟子の深谷知広(S級S班、愛知96期)とともにグランプリを獲った大選手も今期からA級となったが、しかし生の誘導で見られるとは思わなかった。

 結果、布井が後ろからになったのはよかったが、最後は最終バックで悠々の捲り。番手の 中畑利英(A級3班、和歌山67期)もぴっちりマークし、志村は切り替えての3着だった。

 

 第2競走、2班から落ちてきた 櫻井利之(A級3班、神奈川101期)が人気だが、昨日も瀧川幸広(A級3班、愛知125期)などの逃げに手も足も出ず後方儘。ここもあまり買いたくなく、ではもう一方の等々力久就(A級3班、長野98期)かというと、彼も昔から淡白な競走が多いよなぁ。

 自分でも動けるはずのベテラン齋藤明(A級3班、北海道61期)から狙ってみる。よく動いてくれたけれど、あと一伸び届かず2着まで。ここも外れて、このわずかな時間で5千円を溶かした。

 

 まだまだ取り返せるレースはあれど、行かねばならない。

 

 気温はますます上がっていく。汗だくで、地下鉄の駅へと戻る。時間がない中でも都合をつけて、ごく一部の競走だけでも、来てみればそれなりに楽しいものだ。これからは、少しずつ隙間時間を見つけて、競輪に足を運ぼうと思う。

 さっそくだが、用事を済ませて、次に自由になるのは明日の夕方。決勝戦くらいは、戻ってこれるような気がする。地下鉄の車内で、新幹線の時間を調べてみよう。

 

全国の競輪場で唯一ここだけの据え付け拡大鏡(2024.7.14)

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東海地区の公営競馬場は日よけが多い(2018.2.18)

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改修後の食堂(2024.7.14)

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走路側から新食堂(2024.7.14)

かつては昆布茶が無料だった(2018.5.20)

業務用スープだろうが、「Wスープ」という幟がかかっていた旧食堂のラーメン(2018.5.20)

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