競輪の結果をまとめるところ

レース番号レース種別 半周ラップ(一周ラップ) 1着決まり手 2着決まり手 3着決まり手 J選手着 H選手着 B選手着(上がり) 自分が使うときにまとめる。なんの責任もとりません。

【四場目】弥彦競輪場

 旅をしていて、「北国に来たな」と思う瞬間がある。私など移動はもっぱら鉄道だから、それは例えば新宿からの夜行列車でトンネルを抜け、架線についた新雪パンタグラフがスパークさせバチリバチリと雪深い山中が照らされる様だとか、谷筋を猛然と進む花輪線ディーゼル車の中で、吹雪の向こうにそびえる東北自動車道の無機質なコンクリートを見上げた時だとか。田沢湖線で乗り継ぎの時間が有り余っていたので、バスに飛び乗り山奥の露天風呂へ。風呂場は巨大な雪塊に囲まれており、雪崩れたらこりゃ死ぬなと思いつつ一人湯気に沈んだこともあった。そうそう、桐花賞当日となる大晦日水沢競馬場、飽和するまで凍結防止剤をぶち込んでいそうなドロドロの不良場場に、ゴーグル・防寒着をフル装備した騎手の見慣れぬ姿に驚きつつ、「お釣り300万円!」のおばちゃんから買ったモツ煮込みの沁みる暖かさ。これも、あの冬の競馬場でしか味わえないものだろう。

 これらはかけがえのない旅情である。しかし、旅行者として通り過ぎるだけならいいのだが、いざ生活するとなるとこれは厳しい。冬越しの苦労は現代文明の中では以前よりも遙かに楽になったには違いないが、千葉のような南国育ちの私からするとやはり生活の根底から違う。北国は大変である。だから、三国競艇を除く北国の公営競技場には冬休みがある。前述の岩手競馬は年越しまで粘るが、それ以外では早々に、寒さと雪で競馬や競輪をできる状態ではなくなる。

 日本唯一の村営公営競技場として知られる新潟県弥彦競輪場も、やはり冬場は休催してしまう。今年平成29年度のシーズン開幕は、4月の二週目の週末から。川崎競輪場で業界中が注視するナイター桜花賞が開催されている裏で、小雨の中に肌寒さが残る生憎の天気、ごくひっそりと幕を開けた。

 弥彦駅前から伸びる参道には、饅頭を蒸かす蒸気が目立つ。早朝ということもあるのか客の姿は見えないが、雰囲気の演出としては悪くない。誰かがやり始めると、みな真似をし出すものなのだろうか。もっとも、こんなにどの店も饅頭を蒸かしていて、売り捌けるものなのかという気もする。なんどか曲がりつつ歩いて行くと正面に弥彦神社の鳥居が現れるので、そこから右折し裏手へ抜けると弥彦競輪場である。入場料は無料なので、そのまま場内へ入ればよい。

 走路は直線が長めの400バンク、しかしスタンドは小さくなるほど村営の競輪場だという気がする。開門して間もなかったが、スタンドの入り口には20人ばかりがわいわいやりつつ行列していた。まだ寒いので、特別観覧席に入ろうというのだろう。「500円の方でいいかね」「いや、S席はコンセントがあるで」との声が耳に入る。特観は1000円のS席と500円席の二種類があり、どちらもソフトドリンク飲み放題付きである。旅先の携帯充電は死活問題であるから、私は1000円席に入ることにした。この入り口で「スポーツと競輪」という、なんとなく文化的な名の冊子型専門紙も購入できる。

 S席の構造は、ゴール前に横一列で座席が設けられている。ぞろぞろと、壮年から老年までの男女が席を埋めていく。「おぅ、来たかい」「レースをやるなら、上に入らないとな」「誰々はどうしたんだい」と、顔見知り同士の会話は賑やかである。ところが、肝心のコンセントは見あたらない。卓上には一人1台ずつ小型液晶モニターが置かれており、オッズや中継が見られるようになっている。この液晶のコンセントは手が届く位置にあることはあるが、まさかこれを引き抜くという話だったのか?……さすがに、そんなことをする度胸はない。まあ、それでもこのS席は快適だった。

 記念すべき開幕である1Rは二分戦だ。野口修平(神奈川・107期)が機動力では上手だが、こいつはあまり終いがよくない。だが番手の渋谷征広(静岡・91期)はいいにしても3番手の芦川大雄(静岡・87期)までは信頼できず、かといって福田直樹(埼玉・85期)が先頭の埼京から買うのもアホらしい。ひとまずここは見とする。果たして、野口が逃げる展開となったが、直線福田の後ろから小峰一貴(埼玉・64期)が捌いて伸び1着。2車単3,900円、三連単が10,420円と開幕からそこそこの配当となった。

 次の2Rは、山南光秀(群馬・98期)が圧倒的。その分オッズも被っており、ここも手を出したくない。なので、空いた時間で下のスタンドへ降りる。天気も天気だから、客はだいたい4コーナーあたりにある冷暖房付きのホールのようなところに集まっていた。その奥に、食堂がいくつか入っている。おでんのメニューを見てみると、これがべらぼうに安い。三角に切られたこんにゃくが3個で100円、あずま揚げなる小さな薩摩揚げやちくわが1個50円だという。出汁は甘めで、寒い中ではありがたい味だ。それをはふはふとやりながら、下のスタンドで2Rを観戦した。ジャンが鳴り、薮下直輝(北海道・95期)が後ろを見ながら先頭を進む。後ろは併走しながら動かない。しっかりひきつけて、薮下はホームからダッシュを踏んだ。あれよあれよと山南は不発に終わり、流れ込んでの3着まで。1・2着は薮下のライン後ろ2名で決まった。三連単の配当は65,220円、こいつは、まだまだ厳しい寒さが残っているな。

 3R、ここは長谷部翔(静岡・109期)と石渡英樹(千葉・71期)の南関2車で鉄板だろう。満を持して、長谷部→石渡の2倍に突っ込む。発走、ジャンでは樋口瑛土(東京・109期)が前に。長谷部が発進した。石渡が千切れた。なんてこったい……ホームで出切った長谷部の番手には樋口が収まり、石渡は4番手。こうなってはもうどうにもならず、場内の怨嗟の視線を浴びつつ回るだけだ。最後の直線で、樋口が長谷部を交わして1着。自力屋同士の決着はチャレンジだと売れるものだが、ここは長谷部→樋口の2車単が8倍に対して、裏目は4,830円もついた。特観の爺さんたちも、「こりゃ、今日は難しい」と不満げである。「今日は久々だからな、仕方がない」と愚痴られたが、選手は冬場も余所で走っていたし、皆様車券は場外としてお買いになっていましたよね。

 まあ、私だって外しているのだから人の悪口などいえやしない。残りのチャレンジも眺めてみたがパッと思いつかないので、再び食堂に降りて昼食にすることにした。ここの食堂は、入り口のレジでおばちゃんに口頭で食券を買い求めるシステムである。ラーメンやうどんから定食モノまで、ずらりとメニューが並んでいるが、さてどうするか。前のおっさんが、親子丼を注文した。親子丼は好きな方だ。なによりどこでもそれほど外れが無く、カレーほど胃に重くない。私も、親子丼ひとつくださいな。テーブルに座って、改めてメニューを見返してみると、親子丼の脇に「(豚コマ)」と書き足されているのが目に留まった。まさか新潟のこのあたりでは、それを親子丼と呼ぶ風習があるわけでもあるまい。驚いたが、おそらくはカレーなどと具材を共有する関係なのだろう。

 これはこれで美味しい豚玉子丼を食べながら、4Rの実況を聴く。今開催トップの得点を誇る菅田謙仁(宮城・109期)が一本被りの人気だが、気負っているのか木村成希(千葉・96期)とガリガリやり合っているようだ。それで菅田が消耗したところを、展開が向いた馬場喜泰(埼玉・76期)が捲りきって1着。菅田は垂れて着外に沈み、またしても6万車券である。続く5Rも、里見恒平(千葉・99期)の番手が千切れ、別線同士での決着となった。

 さて、チャレンジ戦が終わり、帰りの都合もあるので1・2班戦でやれるのは次の6Rだけとなる。人気は田原宥明(北海道・105期)が前を回る北日本勢だが、チャレンジ時は世話になったが1・2班戦では速さが足りない印象である。それよりは、とにかく叩けば主導権を取れるだろう角口聖也(千葉・94期)の3番手から、縦脚のある望月紀男(静岡・79期)の突っ込みに期待した。2車単は、一番安い北日本の番手小酒大司(福島・94期)とでも80倍からついている。今日の荒れ相場の流れに乗れるぞ。だいたい、この点数で加藤剛(神奈川・68期)が番手というのも、なにやら作戦の匂いがするじゃないか。

 赤板ホームから、南関勢が田原を閉じ込めつつ前前へ。ジャンで誘導を切って先頭に出る。後ろを見つつ、3角から角口が発進。よし、予想通りの展開だ。と、体勢を立て直した田原が捲りに出た。速い。加藤は番手捲りを打たず、申し訳程度のブロックで田原を素通し。こうなるやすかさず望月が発進するも、すでに北日本勢が勝負を決めていた。ここに来て、2車単・三連単ともに1番人気での決着である。

 競輪場を出て、駅へと歩く。やはり、参道の人通りはまばらであり、朝はあれだけあった饅頭蒸しの蒸気も消えていた。小雨の方も変わりなく、冬が明けたばかりの弥彦はまだ寒い。次は、暖かい季節にもう一度来てみようと決めた。

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「春先でバンクはまだ重い」終わってみればさすがである(2017.4.9)

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新津駅にて。弥彦線には鳥居マークがつく(2017.4.9)。

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弥彦神社越後国一宮のすぐ裏手に賭場が常設というのも凄い話である(2017.4.9)。

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(2017.4.9)

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(2017.4.9) 

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(2017.4.9)

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(2017.4.9)

智彦親王牌開催を受け、いろいろとリニューアル(2021.6.12)

(2021.6.12)

(2021.6.12)

(2021.6.12)

(2021.6.12)

(2021.6.12)

(2021.6.12)

電子レンジサービス(2021.6.13)

(2021.6.12)

(2021.6.12)

(2021.6.12)

(2021.6.12)

(2021.6.13)

(2021.6.13)

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味の染みたこんにゃくが美しい(2017.4.9)

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親子丼という名の他人丼(2017.4.9) 

(2021.6.12)

(2021.6.12)

(2021.6.12)

競輪場の裏手にある宝公院(2021.6.13)

(2021.6.13)

宝光院の横、競輪場入場口のすぐ前にある場外食堂。場内で酒が出ないのであるタイプ。にぎわっていた。(2021.6.12)

長岡駅近の変な店その1:中華大吉。深夜11時から翌朝まで営業、かつ開店中もシャッターを下ろし続けている謎の店。(2021.7.24)

(2021.7.24)

盛りがいい餃子。近隣のスナックなんかから、出前の電話がよく来ていた(2021.7.24)

長岡駅近の変な店その1:中華料理 おがわ。普通の老舗中華食堂なのだが、なんか「全身の血液がとてもきれいになる野菜スープ」を作っているという、なんかあれな感じの張り紙がある。「今回のコロナにもきっと効く」とか(2021.6.12)

すんばらしい野菜スープによる中国そば。さっぱり塩味。(2021.6.12)

豊橋競輪場 FⅡ

●初日
1R Aチ予選 17.5-17.7-12.3-12.1(35.2-24.4=59.8)逃 マ マ 7 7 1
2R Aチ予選 19.2-16.3-11.8-12.2(35.5-24.0=59.5)差 先 マ 5 2 2
3R Aチ予選 17.7-14.7-12.6-11.9(32.4-24.5=56.9)先 マ 流 1 1 1
4R Aチ予選 16.8-15.7-12.5-12.0(32.5-24.5=57.0)捲 追 差 4 4 4
5R Aチ予選 16.7-16.5-12.2-11.7(33.2-23.9=57.1)先 捲 差 4 4 1
6R L級予1 19.0-17.3-12.7-12.6(36.3-25.3=61.6)逃 追 マ 7 1 1
7R L級予1 20.9-15.8-12.9-12.8(36.7-25.7=62.4)差 先 追 3 2 2
8R A級特予 15.6-13.8-12.8-12.1(29.4-24.9=54.3)逃 マ マ 1 1 1
9R A級特予 17.3-15.9-12.5-11.9(33.2-24.4=57.6)差 逃 マ 2 2 2
10R A級特予 12.3-12.5-13.2-12.2(24.8-25.4=50.2)差 捲 差 8 8 2
11R A級特予 15.9-12.6-12.0-12.5(28.5-24.5=53.0)差 先 流 9 9 9
12R A級特予 16.2-13.0-12.4-12.2(28.9-24.6=53.8)追 差 捲 3 9 3
●二日目
1R Aチ一般 18.1-16.7-12.5-12.7(34.8-25.2=60.0)差 追 逃 3 3 3
2R Aチ一般 18.6-17.0-13.0-12.6(35.6-25.6=61.2)追 追 追 / 6 6
3R Aチ準決 15.0-15.2-11.9-12.0(30.2-23.9=54.1)差 逃 マ 2 2 2
4R Aチ準決 16.9-14.0-12.2-11.7(30.9-23.9=54.8)捲 捲 追 7 7 2
5R Aチ準決 17.9-16.9-12.4-12.0(34.8-24.4=59.2)捲 乗 差 1 4 1
6R Lチ予2 19.4-13.7-12.9-12.4(33.1-25.3=58.4)捲 乗 逃 3 3 1
7R Lチ予2 18.4-15.7-13.6-12.7(34.1-26.3=60.4)捲 捲 追 1 6 1
8R A級特般 16.5-12.2-12.1-13.1(28.7-25.2=53.9)差 追 捲 8 6 6
9R A級特般 16.6-12.4-12.4-12.6(29.0-25.0=54.0)捲 乗 追 1 9 1
10R A級準決 15.9-14.1-11.8-12.5(30.0-24.3=54.3)捲 捲 差 8 8 8
11R A級準決 15.4-13.9-11.9-12.8(29.3-24.7=54.0)捲 乗 追 9 9 9
12R A級準決 16.0-13.8-11.7-12.0(29.8-23.7=53.5)追 捲 追 8 8 8

函館競輪場 GambooCUP FⅡ

●初日
1R Aチ予選 16.9-13.5-12.7-13.0(30.4-25.7=56.1)追 差 流 4 4 4
2R Aチ予選 15.6-13.4-11.6-12.4(29.0-24.0=52.8)先 マ 差 6 1 1
3R Aチ予選 17.6-13.6-12.0-12.6(31.5-24.6=56.1)追 捲 先 / 6 3
4R Aチ予選 15.9-12.3-12.2-13.2(28.2-25.4=53.6)追 先 追 4 4 2
5R Aチ予選 15.4-13.8-12.3-12.7(29.2-25.0=54.2)追 先 追 2 2 2
6R A級特予 16.2-13.0-12.1-13.5(29.2-25.6=54.8)追 追 追 9 6 6
7R A級特予 16.3-14.8-12.2-12.8(31.1-25.0=56.1)追 差 追 8 8 8
8R A級特予 17.3-13.1-11.3-12.7(30.4-24.0=54.4)差 差 追 9 9 4
9R A級特予 16.8-12.6-11.9-12.6(29.4-24.5=53.9)逃 追 マ ラ 1 1
10R A級初特 15.7-12.3-11.9-12.5(28.0-24.4=52.4)差 追 差 8 7 7

●二日目
1R Aチ一般 21.0-17.8-12.8-12.8(38.8-25.6=64.4)逃 捲 乗 5 1 1
2R Aチ一般 17.6-16.2-12.9-12.9(33.8-25.8=59.6)差 先 マ 5 2 2
3R Aチ準決 17.9-13.6-11.9-13.2(31.5-25.1=56.6)差 逃 捲 7 2 2
4R Aチ準決 16.0-14.6-12.2-11.7(30.6-23.9=54.5)捲 逃 マ 2 2 1
5R Aチ準決 15.9-14.3-12.3-12.0(30.2-24.3=54.5)捲 先 追 1 2 1
6R A級特一 17.3-14.5-12.0-12.4(31.8-24.4=56.2)追 先 追 9 2 2
7R A級特一 16.6-12.9-12.2-12.6(29.5-25.2=54.3)差 差 先 8 3 3
8R A級準決 15.0-12.2-11.7-12.4(27.2-24.1=51.3)先 マ 先 3 1 1
9R A級準決 18.0-14.8-12.4-12.3(32.8-24.7=57.5)差 追 逃 / 3 3
10R A級準決 16.3-14.2-12.4-12.3(30.5-24.7=55.2)追 差 追 9 9 9

帝国大学―近代日本のエリート育成装置 (中公新書)

帝国大学―近代日本のエリート育成装置 (中公新書)

 

松戸競輪場 燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦 GⅢ

●初日
1R S級一予 10.2-09.6-10.6-10.2(19.8-20.8=40.6)捲 差 捲 9 9 3
2R S級一予 10.5-09.9-09.8-10.1(20.4-19.9=40.3)捲 差 追 9 9 5
3R S級一予 10.4-10.1-09.9-10.4(20.5-20.3=40.8)捲 乗 差 8 8 8
4R S級一予 10.1-10.1-10.1-10.3(20.2-20.4=40.6)先 マ 追 5 9 1
5R S級一予 10.9-11.3-10.1-10.0(22.2-20.1=42.3)捲 乗 追 5 5 5
6R S級一予 11.3-10.2-09.7-10.3(21.5-20.0=41.5)先 先 マ 2 1 1
7R S級一予 10.9-09.9-09.7-09.8(20.8-19.5=40.3)捲 乗 追 6 6 6
8R S級一予 10.8-09.8-09.6-09.9(20.6-19.5=40.1)捲 乗 乗 9 9 1
9R S級一予 11.8-09.9-09.8-09.8(21.7-19.6=41.3)先 マ 追 5 5 5
10R S級初特 10.7-09.1-09.3-09.9(19.8-19.2=39.0)差 先 追 7 7 7
11R S級初特 12.1-11.1-09.8-09.8(23.2-19.6=42.8)捲 乗 差 7 7 7
12R S級初特 10.6-09.6-09.8-10.0(20.2-19.8=40.0)差 差 逃 3 3 3
●二日目
1R S級選抜 11.2-09.8-09.8-09.6(21.0-19.4=40.4)捲 乗 乗 4 9 9
2R S級選抜 11.0-09.9-09.6-10.2(20.9-19.8=40.7)捲 乗 差 1 4 4
3R S級選抜 10.2-09.8-09.9-10.5(20.0-20.4=40.4)追 捲 追 4 4 4
4R S級選抜 09.6-09.6-09.9-10.4(19.2-20.3=39.5)差 逃 追 2 2 2
5R S級選抜 10.9-10.0-09.9-10.2(20.9-20.1=41.0)差 逃 マ 2 2 2
6R S級二予 10.6-10.0-09.6-09.9(20.6-19.5=40.1)捲 逃 追 2 2 1
7R S級二予 12.7-10.5-09.6-09.6(23.2-19.2=42.4)差 逃 マ 2 2 2
8R S級二予 10.9-09.5-09.4-09.9(20.4-19.3=39.7)追 逃 追 2 2 2
9R S級二予 11.2-10.5-09.9-09.5(21.7-19.4=41.1)捲 差 逃 3 3 3
10R S級二予 11.5-10.0-09.4-09.9(21.5-19.3=40.8)先 マ 捲 4 1 1
11R S級二予 11.9-09.4-09.0-09.6(21.3-18.5=39.9)先 マ 差 5 1 1
12R S級二予 10.5-09.3-09.7-09.9(19.8-19.6=39.4)差 先 捲 2 2 2

●三日目
1R S級一般 11.3-10.0-09.7-10.4(21.3-20.1=41.4)追 捲 差 6 6 6
2R S級一般 11.2-09.7-09.8-10.1(20.9-19.9=40.8)先 マ マ ラ 1 1
3R S級一般 10.5-10.1-09.7-10.2(20.6-19.9=40.5)捲 追 差 8 8 8
4R S級選抜 10.3-11.5-10.4-10.1(21.8-20.5=42.3)捲 乗 乗 7 7 7
5R S級選抜 10.5-10.2-09.9-10.4(20.7-20.3=41.0)差 差 先 9 9 3
6R S級選抜 10.1-10.1-10.6-10.0(20.2-20.6=40.8)捲 乗 乗 8 8 1
7R S級特選 10.1-09.9-09.8-10.5(20.0-20.3=40.3)捲 乗 乗 5 5 5
8R S級特選 12.1-10.1-09.6-10.1(22.5-19.7=42.2)差 逃 追 2 2 2
9R S級特選 10.6-10.2-09.9-10.2(20.8-20.1=40.9)捲 捲 流 9 9 9
10R S級準決 10.6-09.7-09.7-09.8(20.3-19.5=39.8)差 捲 流 9 9 9
11R S級準決 10.2-09.1-09.7-09.6(19.3-19.3=38.6)捲 乗 流 8 8 8
12R S級準決 11.4-09.2-09.4-09.6(20.6-19.0=39.6)捲 乗 追 8 5 5

漂流するトルコ―続「トルコのもう一つの顔」

漂流するトルコ―続「トルコのもう一つの顔」

 

【三場目】奈良競輪場

 早朝に名古屋を発ち、関西本線で奈良へと向かう。大中京圏を通るにしては、車窓はわりあいすぐ鄙びたものへ変わり、しばらくすると亀山駅で乗り換えとなった。少し時間があるので朝食を買おうと駅前に出たが、ロータリーにはマイクロバスが止まり、なにか由緒があるのだろうが、その奥には鳥居などが見える。朝の通勤通学時間であったから、地方都市の駅前にしてはそこそこに人がいて、バスを待って並んでいる。私ですら知っていた液晶ディスプレイの最先端工場があった街にしては、まるで昭和のころからなにも変わらずここまで来たようだ。

 伊勢から伊賀へ、そして伊賀から大和へと、緑の眩しい山間を進む。目指す奈良競輪場の最寄り駅は、近鉄線の平城駅である。ところが、この関西本線を含むJRと近鉄は、ところによっては線路が並んでいるというに、さっぱり接続駅がない。仕方がないので、事前に地図をなめ回し、郡山からなら10分ほどで乗り換えられるだろうと見当をつけた。駅前から真っ直ぐ伸びた道を行くと、両側には和菓子屋巻き寿司屋から傘屋に至るまで、いかにも何代も続いてきたような商店が続く。なんとなく、弾正忠が平蜘蛛抱えて吹っ飛んだ時分にゃご先祖様はこの辺に、というような風情がある。関西というのは、関東住みの人間からするとフクザツである。

 6時台に名古屋を出て、平城駅に着いたのは11時ごろ。改札を出て川を渡り、少し歩くと競輪場が見えてくる。なお、奈良競輪場が奈良競馬場の跡地に建てられたという説明がされることがあるが、競馬場のコースは競輪場と川を挟んだ対岸にあった。現在は田畑となっており、こちら側を通って平城駅から競輪場まで至る事もできる。

 さて、駐車場の方から入場門へ回ると、その門の前にトタン屋根の掘っ立て小屋然としたものがある。これは、ホルモンうどんを出す店である。まったく、どういう理由でこんなところで営業しているのか余所者にはさっぱりわからないが、とにかく事前にも「奈良のホルモンうどんはスゴい」との情報を知人より得ていた。ホルモンうどんといえば向日町が美味いというのが須田鷹雄氏以来の定説だが、「スゴい」のはなるほどこちらだろう。30歳前後の男性二人組が先客でおり、またこの店構えのインパクトはちょっと入るのに勇気がいる。なのでいったん前を素通りし、競輪場の中へと入った。従事員のおばちゃんが二人ばかり立ち、おはようございますの声とともに出走表とラッキーナンバーカードをくれる。入場料は無料であった。

 場内は、全体的に作りの古さは否めない。それでも、清掃は行き届いており、落ち着いた雰囲気は悪くない。民間委託場はどこもそうだが、警備員なども心なしかキビキビとしている。ただ、締め切り音楽はご存じヤマトナデシコ七変化、マスコットキャラクターの飛天ちゃんとの取り合わせはちとちぐはぐではある。ホーム裏にイスを並べた冷暖房完備のシアター型の投票所があり、暑い日だったこともあり客の大半はこちらにいるようだった。サンサンにしては場内自体は広いのだが、内部の食堂は大半が閉鎖されており、奥の方にはシャッター街となっている場所もある。

 この日はS級シリーズの最終日、飛び込み気味でみた2R、その次のA級特選も外し、いったん外に出てさきほどのホルモンうどん屋に戻る。恐る恐るのぞき込むと、ファンキーな髪型をした、なにやら強面の若い者が座っていた。手前には、細かく刻まれたホルモンを煮詰める大鍋が鎮座している。「ホルモンうどん、お願いします」と頼むと、感じのよい返事が返ってきた。まず、足下のクーラーボックスから、冷凍のうどんを取り出し茹でる。続いて、ペットボトルから薄茶色の液体を小鍋に出すと、これを火にかけ温め始めた。なるほど、出汁が煮詰まらないよう、小分けで調理していくのか。数がそれほど捌けないことがあるのだろうが、そこらの立ち食いそばや公営競技場の食堂で食べるものよりはだいぶ手が掛かっている。

 白いプラスチックの容器に出汁とうどんを盛り、大鍋からホルモンをひとすくい、最後に刻みネギを載せる。一味唐辛子はご自由に。なるほど、美味そうだ。場内に戻り、メインスタンドに腰掛けながらうどんをいただく。ホルモンは関東でアカないしフワと呼ぶ肺臓が中心だが、歯ごたえの小気味よいハツなどもいくらか入っていた。一見しておどろおどろしい見た目だが、味つけはあっさり目で噛みしめるとホルモン特有の臭いが分かる。だが、それが澄んだ関西風の出汁に混ざると、トガったところが取れて美味い。滋養をつけるホルモン食というのは、元来こういうものであったような気もする。

 今回は、さらに西の方へ向かう旅打ちの途中であったから、A級の負け戦が終わった13時前には競輪場を後にした。それで打ち足りなかったこともあるが、あの立地と店構えといい、その手間のかかったところといい、そして味の独自性といい。どこに旅打ちにいこうかと考えるいう時、奈良のホルモンうどんは時にたまらなく食べたくなる。

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亀山駅前(2016.8.31)

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メインスタンドより(2016.8.31)

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審判室が全国で一番低いところにあるのではなかろうか(2016.8.31)

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湯茶接待は充実(2016.8.31)

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かつては賑わっていただろう放棄された食堂棟(2016.8.31)

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場内の各処に飛天ちゃんが配され、正直浮いているがやる気は感じる(2016.8.31)

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涼しい藤棚(2016.8.31)

台湾の歓び

台湾の歓び

 

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これが奈良競輪場のホルモンうどん(2016.8.31)

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ホルモンうどん屋。右側の空間にはビールケースが並べられ、座って食べることができる(2016.8.31)

青森競輪場  みちのく記念 善知鳥杯争奪戦 GⅢ

●初日
1R S級一予 15.8-13.8-11.7-11.7(29.6-23.4=53.0)差 逃 マ 2 2 2
2R S級一予 15.2-12.8-11.7-11.9(28.0-23.6=51.6)差 捲 差 9 9 9
3R S級一予 15.4-13.3-11.5-11.9 (28.7-23.4=52.1)差 差 逃 3 3 3
4R S級一予 18.0-13.1-11.6-11.9(31.1-23.5=54.6)差 逃 追 / 2 2
5R S級一予 17.0-12.8-11.5-11.6(29.8-23.1=52.9)捲 乗 乗 5 5 5
6R S級一予 14.6-12.8-11.7-12.3(27.4-24.0=51.4)追 差 追 6 6 6
7R S級一予 16.6-12.2-11.7-12.0(28.8-23.7=52.5)追 追 差 4 4 4
8R S級一予 16.4-15.3-11.6-11.7(31.7-23.3=55.0)差 捲 流 9 9 9
9R S級一予 16.1-12.2-11.6-11.8(28.3-23.4=51.7)差 追 逃 5 3 3
10R S級初特 17.1-13.2-11.5-11.4(30.3-22.9=53.2)差 差 追 4 4 4
11R S級初特 17.2-12.8-11.4-11.4(30.0-22.8=52.8)先 マ 捲 5 1 1
12R S級初特 15.8-12.6-11.7-11.3(28.4-23.0=51.4)差 先 流 9 2 2

モラトリアム人間の時代 (中公文庫)

モラトリアム人間の時代 (中公文庫)

 

【二場目】大宮競輪場

 千葉競輪場と同じく、大宮競輪場は大きな公園の一角にある。8月半ばのこの日は、朝から降り続いた霧雨が昼前に途切れ、蝉時雨へと移ったあたりを駅から歩いた。近所には宗教団体の本部などもあり、土日にそちらへ迷い込むと独特の善良な空気を醸しながら集会かなにかをやっているのだが、平日の人通りは少ない。同じく、道すがら脇を通る小学校も、夏休みとあっては静かなものだ。うっかりすると通り過ぎてしまいそうな西入場門をくぐり抜け、競輪場の中へと入る。出走表の前に陣取る従事員のおばちゃんらが「今日は雨だから出足が遅いねえ」と呟いたのを聞き流し、すぐ左手の手荷物預け所へ。明後日の方向を向いて呆けているおばちゃんが一人で座する窓口には、小さな水槽が置かれている。カバンを渡し、預け票に名前書こうと目を落としつつ中身を見てみれば、子供の掌ほどのミドリガメが涼しげに空を眺めていた。

 東日本競輪発祥の地である大宮は、スタンドが巨大で敷地も広い。ここも公園であるかのように、4人掛けの木製ベンチテーブルが各処に配されている。どうしても古びてきている面は否めないが、食事も美味いので居心地がよい競輪場である。500バンクというのも、予想は難しいがレース自体は最後の直線が熱く楽しい。チャレンジ戦などは、かえって誘導をいつ切るかの妙味もある。とはいえ、この日はどうにも釣果がよろしくない。1Rの砂賀優徳、後方侭切れる。砂賀への声援、私含めて3名。2Rは船橋出身の新人・内田淳(千葉・111期)から入るも、折り返しを入れず裏を喰って外した。それでも、よくやったの声がひとつ上がる。大宮は実況中継がバンク内に流れないので、ヒラ開催はレース中も静かなものである。

 この日は、熊本の代替開催となる久留米の国際競輪・ガールズS級シリーズを場外発売している。本場での流れが悪いので、次くらいからこちらにも手を出してみるかと、2Rが終わってすぐ液晶画面前の3・40人ばかりの人だかりに混じる。いつもながら、ヒラ開催時は目の前のレースより、場外中継の前に陣取る客の方が多いくらいだな。おっと、緒方剛(埼玉・92期)が遠征しているのか。車券は買っていないが、これで緒方が勝てば、潮目も多少は変わるってもんだ。緒方はジャンで前前から、最終ホーム5番手を確保。捲り脚もある緒方にはいい展開だな、いや逃げているこの下岡(優季、愛知・105期)もよく掛かっている。と、最終3・4コーナーから後続勢が広がり追い込みをかける勝負所、追い抜き際に前後輪が接触したのだろう、インの選手が転倒。なんじゃ、馬鹿たれと声が飛ぶ。緒方含め後続選手が乗り上げひっくり返る。避けられたのは最終コーナーを8・9番手で回っていた二人だけで、これに直線垂れていただろう下岡で車券が決まってしまった。

 さて、場外モニターの前で声を出したところで届きやしないのだが、誰も彼も競輪なんじゃ詐欺じゃ、こんなんだからダメになるんだ、と口々に好き放題なことを言っている。中継では、落車した選手が痛む身体をなんとか起こしゴールを目指しているのだが、「どうせなら、もう一匹落ちてれば返還だ」との声が聞こえた。いつもながら、人間を人間と思っていないこの扱いはどうかと思うが、ゴール目前というところで、あのままでは絶対になかっただろう目になってしまったのだ。今回私に実害はなかったが、命の次に大事なカネを張っている以上、選手には酷だがこれも客の正当な権利であると思われる。そういえば、ついこの間のオールスター競輪も、ずいぶんと落車が多かった。

 簡潔な審判放送ののち、払戻金が確定する。二車単で3,400円、三連単は10,720円。あんな大事故の末の目にしては、なんとも平凡な配当である。案の定、なんだい、糞が、つまらんの合唱。これは、もう理屈ではない。

 ざわついた人だかりも、一通り感情を出し切ったのか次第にほぐれていき、私もモニターの前を離れた。冷暖房完備の2号スタンド入り口の売店では、サツマイモだのゆで卵だのが並べられている。見ているだけでも楽しいものだが、その中で丸のままのトマトが1個ずつ、発泡スチロールの皿の上に載っていた。100円玉に10円玉数枚を差し出すと、おばちゃんが愛想もそこそこに、果物ナイフでスパスパと切り分けてくれた。

 スタンドの外に出て、ベンチに座って竹串でトマトを食べる。空模様は既に青空へと変わり、気温は上昇を始めている。果肉の酸味で頭を冷やし、揺れる木陰を見るのはじつに心地よく、どこかで少しほっとした。

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(2017.8.17)

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競輪場のラーメンとしては出色、550円(2017.8.17)

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天麩羅付きおにぎりが有名も、焼きおにぎりも悪くない(2017.8.17)。

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(2017.8.17) 

残念ながら、トマトやら売っていた売店はコロナに勝てず閉店(2022.4.29)

(2022.4.29)

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(2018.1.21)

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1角裏、藤棚オッズ板周辺。記念開催最終日だけあり上場の客入り。左手にはラーメン含む売店群(2018.1.21)

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売店棟(2018.1.21)

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かの有名な(?)てんぷら付きおにぎり。大きな塩むすびが2つに掻き揚げひとつ、それに漬け物がつく。たれを上からかけ回して食べる、早い話が簡易式天丼(2018.1.21)

(2022.11.12)

競輪は、他の公営競技と比べても明らかに開催日数が少ないうえに、モーニング・ミッドナイトばかりなので、もう場内飲食店はほとんどのところで限界だろう(2022.11.12)

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大宮は二重金網で少々見づらい(2018.1.21)

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鮭定食670円。麦飯と粗い大根おろしに手作りを感じる(2018.12.24)。

(2022.4.29)

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夏には冷やし中華も始まる(2019.7.13)

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チャーシューメンは200円増し750円(2019.9.16)

(2022.4.29)

(2022.11.12)

最近増えたモーニング開催は、10時開門。なので、開門待ちで大宮公園の池を眺めるとも多くなりました(2022.11.12)