競輪の結果をまとめるところ

レース番号レース種別 半周ラップ(一周ラップ) 1着決まり手 2着決まり手 3着決まり手 J選手着 H選手着 B選手着(上がり) 自分が使うときにまとめる。なんの責任もとりません。

【十九、二十場目】小倉競輪場、広島競輪場

※ 【十七、十八場目】松山競輪場、別府競輪場 - 競輪の結果をまとめるところ からの続きです。

 

 せっかく別府に泊まったのだし、朝風呂をゆっくりといただいて。朝8時過ぎに、亀川発中津行きで発つ。この日は日曜日と天皇誕生日に挟まれた平日だから、通学の高校生が多く乗っている。だがそれも、ごそりごそりと駅ごと学校ごとに集団で降りていき、代わりに乗ってくる人の数は少ない。

 30分もすると、車内で私のほかに残っているのは一人だけ。こいつも制服姿だが、だれとも一緒に降りずに乗り続けている。サボりだろうか、ブレザーの胸元を適当に開け放ち、たまにスマホを弄るほかは気怠そうだ。いったいどこまで行くのやら、まあ厳密には違反だが、改札さえ出ずに定期券内の駅まで戻ってくれば、カネはかからない。時間の潰し方が思いつかなくなった人間にはありがちである。大多数の凡才凡人にとって、青春など浪費しかしないもの。下手に煮詰まるよりは、じっとしているだけ、とりたてて損するものでもあるまい。

 長風呂をしたからか、喉が乾く。途中、中山香駅で信号待ちの停車が5分と少しあった。田舎の小駅のようだが、飲み物くらいは調達できないか。列車を降りると、思わぬことに無人駅ではないらしい。しかも、駅員室内で二人、この大分の片田舎にいて、福岡の新型コロナの様子などについて、のんきに茶飲み話をしている。途中下車する私の乗車券なぞ、ろくすっぽも見ちゃいない。それで改札、駅舎を出ると、なんとタクシーまで1台、暇そうな運転手と待機している。すぐ脇に自動販売機があったのには助かったが、妙にのどかなもんである。

 案の定、中津から別府に折り返す高校生と別れ、こちらはさらに先へと乗り換える。うまく快速列車に乗ることができ、11時前には小倉駅に到着した。メディアドーム・小倉競輪場には、モノレールへ乗り換え香春口三萩野駅下車。歩道橋を渡り、高速道路下の狭い路地を抜けていくと、広い芝生の公園スペースの向こうに、巨大なドーム競輪場が見えてくる。

 グリーンドーム・前橋競輪場と並ぶドーム競輪場だが、その構造は一見してずいぶんと違う。前橋は、走路上部に採光用のガラス張りがぐるりと設けられており、照明それ自体も明るい。比べると、小倉の走路は薄暗い。その代わり、発売所や売店などが連なる外周部は全面ガラス張りなので、こちらはなかなかの居心地の良さである。設計は早稲田閥の菊竹清訓氏、メディアドームという名前からもわかるように、建設当時は近未来的なデザインを志向したらしい。競輪以外でも各種イベントで使用されているが、目下もっとも著名なのは、すっかりメディアに面白おかしく取り上げられるようになってしまった「北九州の荒れる成人式」だろうか。

 エスカレーターでエントランスへあがり、中へと入る。今日は場外発売日だから、入場料は不要だ。ロビーから左に回り、少し行ったところにスポーツ新聞の売店と、予想屋の小屋がある。ひと通り口上も終わったところのようなので、その予想屋さんに声をかける。

「すいません、川崎の予想紙ありますか」

「あるよ、550円ね」

 今回は、無事に専門紙を入手することができた。社長が独特のキャラクターで各所に露出している、「コンドル」紙だ。ここ小倉と熊本、久留米で展開しているほか、武雄や佐世保の「百万弗」も、紙面の類似性からいって、おそらくは同紙の傘下であるか、少なくとも過去に関係のあった者による発行なのだろう。九州競輪専門紙の選手コメント欄の充実は、この「コンドル」紙が源流か。

 ただ、実はこの「コンドル」紙、本場ナイター開催時には、本場分を現地で売っていないことも多い。「ことも多い」としたのは、小倉・久留米ともに過去1回ずつしか訪れておらず、何度も調査したわけではないからであり、おそらくは経営判断として売らないことになっている。では新聞を発行していないのかというと、当日昼間の記念競走などの場外発売分は売っているし、本場開催分もe-shinbunのような電子新聞ではきちんと発行されている。なんなら、主催者HPの無料公開pdfも、コンドル社謹製だったりする。

 前回小倉に来た際、入場してすぐのインフォメーションで

「専門紙、どこで売っていますか?」

と聞くと、女性陣は早々に回答を放棄。話を振られた警備員氏、事務職員さんらは皆様喧々諤々で

「スポーツ新聞ならあるはず」

「以前は予想屋が扱っていたが、今は入院中で」

「立ち売りのちいちゃんがどこかにいるはず」

「外で売っているんじゃないか」

それで、14時過ぎとはいえまだ暑い8月の北九州を、ドームの外に引き返す。西国の強い陽射しの下、雲ひとつ遮るものがないところを10分ばかし探してみたが、なぜか外のモニターで競輪を見ている爺さんらが数人いるばかり。ありゃ、ノミ屋ででも買っているんだろうか。まったく、こんな天気で、新聞の立売などしていたらぶっ倒れるぞ。最終的に、ちいちゃんなるあだ名の、小柄で上品な立売婆様は場内のスポーツ新聞売店のすぐ脇にいたのだが、心の底から残念そうに

「ごめんなさいね、今日は昼間のだけなの」

と来たから、さすがにもう気持ちが上がらず。北九州出身の先輩にLINEして美味い鶏屋と小倉駅前のサンドイッチを教わり、早々に競輪場をあとにした。その後、久留米競輪に行った際にも、ガイダンスコーナーで同じく競輪新聞予想紙ーー九州では、専門紙じゃ通じないーーの場所を聞いたところ、

予想紙?……そういうのは、もうだいぶ前になくなったはずですよ」

と、じつにバッサリやってくれた。

 一日にデイ開催分、ナイター開催分と何度も輪転機タブロイド判を刷ろうとすれば、人件費も大幅に膨らむ。それに、もともと競艇の強い福岡県や佐賀県では、出走表だけで打つ文化もある。今のナイター開催の客入りでは、コンドル社としても提供できないのは仕方がない。こちらが、スマートフォンで電子版を見るなり、近くのコンビニで出力なりすればよいことではある。……とはいえ、主催者は予想検討の便宜をはかるのも商売のうちなのだから、もう少し努力をしてくれないか。あるサテライトでは、印刷版の輸送が対応できない発売について、電子版の新聞をプリンター出力しホチキス止めしたものを100円で売っている。印刷版や電子版よりも大幅に安いのは、出来上がりの安っぽさが半分、それに車券発売の販促物としても一定の効果を認めて、社費を投入しているのだろう。

 

  さて、今回は場外だけだが、小倉競輪場を楽しみたい。かの白鳥胴上げ事件(昭和40年オールスター競輪)以来となる川崎競輪での特別競輪開帳というに、COVID-19の影響で無観客となってしまった全日本選抜競輪も三日目。準決勝デーだが、それよりも選手の調子が見えてきた負け戦で儲けたい。

 第4競走、島川将貴(S級1班、徳島109期)を使う桑原大志(S級1班、山口80期)からが人気も、島川は特別戦線ではまだ実績が薄い。次点人気は菅田壱道(S級1班、宮城91期)と佐藤友和(S級S班、岩手88期)の東北ラインも、菅田の近況はいまいちだ。それならば、今節も逃げを打つなど、いい年して積極策が見える吉田敏洋(S級1班、愛知85期)の一発。二車単の総流し合成オッズで10倍以上ついているので、まずはそちらで計1,400円。

 吉田のおっさんも自力は弱って久しく、アタマまでは至らないことも考えられる。単騎でこの中なら捲り脚も効く宿口陽一(S級1班、埼玉91期)と、吉田番手の笠松(伸幸、S級1班、愛知84期)、桑原を相手に三連複を流して18点1,800円。

f:id:glay222:20210222120533j:plain

 競走中、菅田ラインの後ろに島川、その中段を、吉田が外から蓋をする形で主張する。打鐘まで島川は引かず、仕方がなしに菅田は突っ張り先行。よしよし、これなら菅田は垂れるはず。あとはもつれている中段さえ取りきれば……と、島川に一発キメられて吉田が後退!おいおい、吉田のおっさんといえばタフな走りが売りだろうに、109期の若造などにさぁ……最終バックから捲りあがった宿口が直線大外抜け出して1着、2着は島川の後ろからインを伸びた桑原。番手の佐藤友和に余力はなく、菅田が3着まで残り、道中入る場所のなくなった吉田は8着という結果だった。軍資金-3,000円、残6,600円。 

 第5競走、昨日暴走ぎみに駆けて9着の河端朋之(S級1班、岡山85期)がいる。競技畑らしく脚が活きれば爆発的な結果を残すが、どうにも競輪が上手でなく買いにくい。かといって、買わないと圧勝されるし苦手なタイプ。見としたが、誘導を切るとそこそこ流しつつ、最終ホームで後続ラインの後ろ3番手にうまく収まる。これは珍しい、と思っていると、すぐさまインから山崎芳仁(S級1班、福島88期)が掬いにいき、1コーナーで河端をふっとばした。あとは、山崎が直線抜け出して1着。大ギアぶん回しで一時代を築いた印象の強い山崎だが、さすがにこれは勝負の年季が違う。

 第6競走、村上義弘(S級1班、京都73期)が欠場、マークするはずだった志智(俊夫、S級1班、岐阜70期)は脚見せで単騎周りだった。渡辺一成(S級1班、福島88期)はナショナルチームを辞めてから位置取りに厳しくなり、競輪選手としては充実を迎えている。だが、ここはオッズを睨むと松川高大(S級1班、熊本94期)が安く見られちゃいないか。二車単の総流しを1,200円に、一成相手の三連複で6点。 

f:id:glay222:20210711165220j:plain

 ところが、競走中はなんと志智のケツに松川。どういう組み立てを考えていたのかさっぱりだが、一成が最終ホームからカマしていくと、離れた7番手・8番手に志智・松川ではどうしようもない。軍資金-1,800円、残4,800円。

 

 netkeirinからいただいた軍資金も、残り半分を切ってしまった。固めを当てて戻したい。第7競走は見し、第8競走。今の三谷竜生(S級1班、奈良101期)の自力は怖くなく、鳥取雄吾(S級1班、岡山107期)と松井宏佑(S級1班、神奈川113期)のどちらかが主導権だろう。松井は前日河端と大いにやりあっての大敗だが、その時計は悪くない。黒沢征治(S級2班、埼玉113期)まで含め高速戦になるようなら、番手の岡村潤(S級1班、静岡86期)は消耗激しく差し損ねか。この二車単で3倍なら上々、1点で2,000円を投入する。

 まったく、負けがちょっと混んでくると、人気目に打ち込んで取り返そうとする。それもいよいよ外れると、大穴を細かく散らして神頼み。バクチの王道には程遠いが、まあだいたいこのあたりが常道である。これで当てて凌げてしまうと、いよいよいつか、抜き差しならない場面で負けるのが道理だな。

f:id:glay222:20210222135822j:plain

 赤板ホーム、黒沢が上昇し2コーナー入口で誘導を切ったが、松井もすぐさま前へと上がる。打鐘で松井が前に出ると、最終ホームで三谷も発進。踏み合う、緩みのない展開となった。三谷もそとで踏ん張っているが、松井がよくかかっており出切れない。番手の岡村も牽制し、そのまま最終バックを通過。インで詰まる格好となった黒沢、関西三番手に切り替えた香川(雄介、S級1班、香川76期)が詰めようとするが、直線入り口で香川が三谷の後輪にひっかかり、落車。そのまま松井、岡村、黒沢で決着した。

 二車単の配当は360円、2,000円買ったから払い戻しは7,200円。残金は2,800円だったから、締めて10,000円。きれいに差し引きゼロに戻ってくれた。それが、良いのか悪いのかはわからない。

 最後に準決勝をひとつだけ、第10競走で近況好調の松本貴治(S級1班、愛媛111期)からを狙ったが、静岡に移籍した深谷(知宏、S級1班、静岡96期)に粉砕され軍資金-2,000円。残8,000円で小倉競輪場をあとにする。

f:id:glay222:20210711165344j:plain

 さて、ここまで打って負けが混んでいるようであれば、門司からの夜行フェリーで関西に抜けるつもりだった。まだ懐には余裕がある。小倉駅から新幹線に乗り、広島へ。明日のモーニング開催を覗いて帰ることにする。

 在来線だとやたら長く感じる山口県をあっという間に飛び越えて、19時前には広島駅へと到着した。改修工事中の広島駅を出ると、路面電車で銀山町ーーこれで「かなやままち」と読むーーへ。ほんの数年前に新装されたビジネスホテルに入る。流川の繁華街やアーケードの外れにあたり、広島駅からも数駅の距離。ホテルの目と鼻の先には懐かしのコンビニ「ポプラ」まであるが、宿泊料はシングル1泊で3,000円。COVID-19前なら倍は取っていたはずで、安いのはありがたいがなんともつらい。

 

 緊急事態宣言が明けた広島の街は賑やかで、平時ならお好み焼きでも食べたいところ。だが、この人通りの大都市圏で、出歩いてよいことはなさそうだ。ホテルの部屋に引きこもり、初日二日目のラップタイムを取って翌朝に備える。

 ※ https://eastkeirinaaa.hateblo.jp/entry/2021/02/21/000000

 広島競輪場は中心街からは少し離れた港湾部にある。広島駅から広電3号線で終点の手前、海岸通駅で降りる。時間は30分そこらといったところか。近くには松山からのフェリーの発着場があり、いつかはそちらで来てみたいところである。モーニング開催3日目最終日、第1競走の発走は8時55分。8時半には競輪場に競輪場に入場したが、全日本選抜の決勝戦ということもあってか、モーニング開催にしては先客が多い。

 薄々そんな気はしていたが、専門紙売り場の婆様がまだ出勤していない。仕方がないので、スマホでe-shinbunを購入すると……ここ広島の「リズム」紙、なんと今節の戦績欄に上がり時計すら載っていない。アオケイアカケイのように短評を入れろとまではいわないが、たんに着順だけ出されてもあまり意味がない。ちなみに、第1競走終了後に新聞を売り出していたが、やっぱり場外の川崎分だけだった。

 

 さて、第1競走。ここも補充なしで6車建て、固いと思われがちではあるが、A級の負け戦は穴を狙うに限る。一人だけ若い真崎章徳(A級2班、佐賀113期)からが人気だが、前日逃げて15.3-14.3-12.3-12.6は垂れ過ぎている。それに、最終日一般戦と考えれば、小川達也(A級2班、静岡93期)も3場所前の前橋、2場所前松戸と連続で1着。格からいえば負けていない。ただ、小川も今節の走りっぷりはよろしくなく、それなら後ろの佐藤有輝(A級2班、神奈川85期)まで拾いに行くか。オッズ的にも佐藤まで来るとかなり軽視されているが、昨日の第4競走ではインを掬ってあわや、上がり11.9。この中に入れば、アタマ取りの展開が複数通り浮かんでくる。

 二車単で佐藤からの総流しに、裏目で小川→佐藤は抑えておく。それに、真崎にマークする田川辰二(A級1班、熊本72期)と佐藤のワイドを買い、全部で2,500円。 

f:id:glay222:20210223085045j:plain

 これが大当たり。赤板ホームを通過して、真崎はいったん上がる素振りを見せるが、誘導を切った小川が突っ張る仕草を見せると、すぐに引いて5番手へ。真崎は積極さに欠け、打鐘を過ぎても小川が流し気味のまま、好きにペースを作ることができた。そのまま一本棒で駆け、最終バック過ぎ、ようやく真崎は捲くろうと動くが、進まない。直線で佐藤が悠々と小川を交わし、後ろに位置取っていた今村俊雄(A級2班、山梨99期)まで抜け出して2着。真崎はいいところなしの6着、田川も前が垂れない展開では5着だった。90.5倍もつけた二車単5-2が200円で18,100円の払い戻し、差し引きで軍資金+15,600円、残23,600円と大きく余裕ができた。

 第2競走も、若い北野佑汰(A級2班、香川115期)が本線のようだが、オッズはそれほど被っていない。初日は逃げてずいぶんな戦績だったし、昨日も本来はどうとでも来れたような相手で惨敗。調子落ちは衆目一致するところだろう。もう一方の自力ラインである九州勢もすんなりではオッズが辛いので、少しひねって単騎で自力のある山本恵太郎(A級2班、東京71期)を軸に。九州勢の前を回る南部亮太(A級2班、長崎93期)と、番手の古閑良介(A級1班、福岡73期)を相手にワイドを500円ずつ、計1,000円。

f:id:glay222:20210223091305j:plain

 さて、赤板ホームで北野が上昇し誘導を切る。打鐘まではけっこうなペースで飛ばしたが、Sを取っていた南部が北野の後ろでイン粘りだ。すると、北野はいったんペースを下げて、後ろの明星(晴道、A旧2班、愛媛82期)を競らせる展開である。おっと、ペースが緩んだと見るや山本が発進、最終ホームで叩き切る。しかも、山本の後ろについて上昇していた鈴木孝征(A級2班、埼玉75期)が、その外をさらに叩いて逃げ始めた。結果的にイン切りの展開になった山本は番手を確保、明星は北野の巻き返しには期待しないことにしたのか、外競り体勢から自転車をすぐ前へ出して3番手へ。しかも、南部の後ろの古閑まで明星に切り替えていき、1コーナー過ぎでは南部・北野の両自力が後方二車に置かれた。いかに北野が不調とはいえ、このメンバーで鈴木が逃げるとは、こりゃ珍しい展開だ。

 2コーナー出口で古閑が捲りにかかり、その後ろに南部が乗る。北野はすっかり売り切れ、明星も位置は取ったが脚が足りない。古閑が直線抜き切って1着となり、2着・3着には積極策の鈴木と山本がそれぞれ残った。

 ただ、最終的に古閑がアタマとなったので、配当の方は3連単で7,020円とそれほどでもない。ワイドの4-5など230円しかつかなかった。途中までは3倍以上あったのだが…軍資金+150円、残23,750円。

 

 第3競走は見として、朝イチというにもう開いたらしい食堂に行く。広島競輪場の食堂は、チャリロトプラザも入っている発売所の外階段をあがった2階にある。喫茶部と食堂部があり、食堂部はL字型のカウンターが「中華そばコーナー」「おでんコーナー」「御飯コーナー」とそれぞれ別れている。古い学食なんかにありそうなよい風情で、厨房ではおばちゃんらが元気に働いている。

 この日は朝食なので中華そばを頼むと、思いのほかこってりした本格とんこつラーメンが出てきた。しかも、勝っているのと他所ではみない好奇心から「てんぷらラーメン」と驕ってみたら、小エビ入りのかき揚げがでんと入っている。さすがに胃に重かったが、味の方は競輪場の食堂として、西日本でも有数ではないか。いよいよ広島競輪場も建て替えが始まるらしいが、この食堂の料理はなんとか残してほしいものだ。

 

 第4競走、ここも人気の板垣昴(A級2班、福島115期)は初日18.4-13.4-13.0.12.7の緩逃げで差されているようでは蹴り飛ばし、初日好捲りを決めていた齋木翔多(A級1班、静岡115期)を買う。番手の平田徹(A級1班、静岡78期)との筋で30倍を超えるなら下手に散らすよりこの1点1,000円、それに点数上位の縦脚がある越智展孝(A級1班、愛媛88期)とのワイドを500円抑える。

f:id:glay222:20210223100157j:plain

 これが、板垣の完全不発、齋木の先行まではドンピシャ。「齋木、残れ!」と直線で叫んだが、大外から越智が強襲1着、平田は2着。しかも、3番手に収まっていた下沖(功児、A級2班、宮崎95期)まで交わしてしまい、微差で齋木は4着まで。狙いは悪くなかった、と自分に言い聞かせるほかない。ワイド2-3は7倍近くついていたが……軍資金-1,500円、残22,250円。

 

 第5競走、S級でも直近実績が厚い小林令(A級1班、山梨109期)からが人気も、好走までであんがいアタマを逃す印象。それならば、捲り手の平川慎太郎(A級2班、佐賀105期)の一発では、と2,000円ほど散らしてみたが、結果は小林が悠々捲って楽勝。これも仕方がない、軍資金-2,000円、残20,250円。 

f:id:glay222:20210223102524j:plain

 第6競走は見して、モーニング開催ラストとなる第7競走。A級の決勝戦である。いよいよこの旅打ちもラスト1戦、ありがたいことにだいぶ浮いている。ここは最期に、5,000円を投入する。

 人気は、新人・松本秀之介(A級2班、熊本117期)が中心。ただ、戦績を眺めると予選・準決は取りこぼさないが、決勝戦で大きい着が散見される。決まり手を見ても捲りが多く、地脚で押し切るのにはA級であっても不安が残る、といったところだろう。今節も初日予選は捲って1着(上がり12.0)、準決は先行したが16.6-12.6-11.5-11.9の時計は取り立てて強調するものでもない。実際、対抗ライン宗崎世連(A級1班、高知100期)も、最期差されて3着だった準決は17.6-12.7-11.6-11.9である。宗崎の初日特選は上がり11.7で2着、緩かった展開を考慮しても、スピード勝負でそこまで見劣る気はしない。

 ただ、宗崎が押し切るかというと、松本とがっぷり組み合う展開では、到底そこまでの余力はあるまい。そして、宗崎の番手は地元の藤井將(A級1班、広島105期)である。自在性の高さから番手捲りも打てるし、切り替え・イン突きも浮かんでくる。ラインの3番手も地元の和田誠寿(A級1班、広島103期)、西の選手なのであまりよく知らないが、若い内にマーク屋に転向したタイプ。少なくとも、地元では仕事をしてくれると信じたい。

 ただ、藤井→松本で10倍そこそこというのは、松井の押し切り体勢から突っ込んでくるか?あくまで、松本は売り切れる想定のもと、藤井アタマの松本を除いた二車単総流し、これを4,500円。それに、混戦になった際に浮上してくる、単騎の高田真幸(A級1班、福岡83期)とのワイドが8倍からついていたので、これを500円抑える分二車単は落とす。

f:id:glay222:20210223111411j:plain

 競走が始まり、宗崎ラインが前受け、松本は後ろ。単騎の高田は、ひとまず松本ラインの後ろ7番手である。赤板ホームで松本がゆっくりと上昇するが、宗崎が突っ張りを主張するとすぐに併走を解いて下がった。高田は当然、宗崎ラインに切り替えたので、松本は5番手で打鐘を迎える。松本がきれいに捲りに構えると、展開としてはよろしくはない。宗崎の力を信じるしか無いか。

 宗崎は打鐘後もゆっくり後ろを牽制し、松本が仕掛けてこないのを確認すると、最終ホームから発進。少しタイミングがずれた松本は、前との車間が開いてしまう。間の高田も離れ気味で、これはよいリードだ。それでも、松本は諦めずに後続を千切って捲っていく。最終バックではまだ5番手併走、宗崎は軽快に飛ばし、後ろの藤井もガッチリマークしている。3・4コーナーでは、ライン3番手和田が松本を丁寧に牽制、松本は止まらない。直線だ、松本が間に合ってしまうか!と、和田が直線でも松本にアタックしながら、ゴール線に飛び込んだ!

 入線後、メインスタンドの客たちが拍手する。すると、地元の藤井か和田の優勝だろうか。1・2コーナーのところから見ていたーー私はどこの場もだいたいそうする。最終ホームを過ぎてスピードが乗っているところを眼前で感じられ、かつ3・4コーナーの勝負どころが一番見やすいーーから、直線の体勢は正面から見る形になりわからない。裏のモニターに慌てていくと、リプレイ映像、和田は松本に肘をかけているじゃないか。

 どちらも高速で動いている自転車の上、しかも勝負のラストというに、競輪選手は自身の肘を、相手の自転車のハンドルに押し込みにいく。別に本当に肘から推進力を得ているわけではないがーーそれでは反則だーー、こうなると、受けた方は動きが大幅に成約されてしまう。知識としては知っていたが、なるほどこういうふうにやるものなのか。この藤井の好プレーの間に、インでは藤井が宗崎を悠々と交わし1着通過。宗崎は垂れてたぶん圏外、では、2着は松本、藤井のどっちだ。松本の2着は蹴っ飛ばしちゃったもんなぁ……際どいところ、どっちの車輪が、先に線に着いているか。スーパースローの映像を、祈りながら眺める。

 結果は、肘かけの分だけ、僅かに先着できていたようだ。地元勢でのワンツーは、二車単1,100円。2,000円買っていたので+17,000円。4場を回ったこの旅打ちの結果、最終広島で大きく勝ち越し。最終的な軍資金残高は、37,250円である。

 

f:id:glay222:20180804143616j:plain

(2018.8.4)

f:id:glay222:20210222110438j:plain

外観は、自転車競技のヘルメットから取っているとかなんとか(2021.2.22)

f:id:glay222:20210222110541j:plain

(2021.2.22)

f:id:glay222:20180804143811j:plain

(2018.8.4)

f:id:glay222:20210222110755j:plain

(2021.2.22)

f:id:glay222:20210222110917j:plain

エントランス(2021.2.22)

f:id:glay222:20210711172402j:plain

入ってすぐ、ロビー・インフォメーション(2018.8.4)

f:id:glay222:20180804150146j:plain

(2018.8.4)

f:id:glay222:20210222111322j:plain

(2021.2.22)

f:id:glay222:20180804150318j:plain

(2018.8.4)

f:id:glay222:20210222114815j:plain

写真は非開催日ということもあるが、正直、施設の立派さにも変わらず小倉の客入りは芳しくない。(2021.2.22)

f:id:glay222:20210222114534j:plain

「がんばれ!競輪」の「コンドル」紙ロゴ(2021.2.22)

f:id:glay222:20210711171632j:plain

(2021.2.23)

f:id:glay222:20210711171647j:plain

外周部の居心地はとてもよい(2021.2.23)

f:id:glay222:20210222111623j:plain

(2021.2.22)

f:id:glay222:20210222111926j:plain

食堂はどちらかといえば焼酎をやりたい感じも、今回はコロナでなし。(2021.2.22)

f:id:glay222:20180804145714j:plain

バック側に競艇の場外発売所が入っており、けっこうな盛況ぶり(2018.8.4)

f:id:glay222:20180804141605j:plain

モノレールはけっこうたのしい(2018.8.4)

 

f:id:glay222:20210711170257j:plain

(2021.2.23)

f:id:glay222:20210223082428j:plain

(2021.2.23)

f:id:glay222:20210223084602j:plain

(2021.2.23)

 

f:id:glay222:20210223082728j:plain

(2021.2.23)

f:id:glay222:20190101082743j:plain

冬季は防寒で?幕が降りる(2019.1.1)f:id:glay222:20210223083406j:plain

(2021.2.23)

f:id:glay222:20210711173201j:plain

 (2019.1.1)

f:id:glay222:20190101082429j:plain

(2019.1.1)

f:id:glay222:20210223102843j:plain

(2021.2.23)

f:id:glay222:20210223103821j:plain

1・2コーナー裏手(2021.2.23)

f:id:glay222:20210223103352j:plain

(2021.2.23)

f:id:glay222:20190101082340j:plain

(2019.1.1)

f:id:glay222:20190101082336j:plain

(2019.1.1)

f:id:glay222:20210711171753j:plain

運営に参画している分、チャリロトプラザもけっこう大きめ。(2021.2.23)

f:id:glay222:20210223093339j:plain

(2021.2.23)

f:id:glay222:20210223093658j:plain

モーニング開催で、10時前からやってくれているのも地味に嬉しい。(2021.2.23)

f:id:glay222:20210223093736j:plain

意外にも?九州っぽいとんこつラーメン(天ぷら入り)(2021.2.23)

f:id:glay222:20190101084100j:plain

たしか牛すじ丼、暖かく美味かった(2019.1.1)

f:id:glay222:20210223093605j:plain

塩を吹いている?ゆで卵(2021.2.23)

f:id:glay222:20210711171820j:plain

2コーナー裏手のCYCLE PARK HIROSHIMA。ポケバイで遊べるので、この日は子供連れで賑わっていた(2021.2.23)

f:id:glay222:20190101104052j:plain

(2019.1.1)

f:id:glay222:20190101074709j:plain

広電の路面電車(2019.1.1)